文法

原形不定詞の3用法!知覚動詞・使役動詞の目的格補語や慣用表現を解説!

ども、ぽこラボ所長です!

今回は原形不定詞について徹底解説します!

「to不定詞は何となくわかるけど、原形不定詞はあまりよくわかっていない」
「原形不定詞ってto不定詞と何が違うの?」

そんな風に思ってはいませんか?

この記事を読めば、原形不定詞のメインの3つの用法についてしっかり理解できるようになっていますので、ぜひ最後まで読んでいってくださいね!

この記事の内容は以下の通り。

  • 原形不定詞とは?to不定詞との違いは?
  • 原形不定詞の3つの用法
  • 原形不定詞の慣用表現

それでは1つずつ見ていきましょう!

目次

原形不定詞とは?to不定詞の違いは?

まずは原形不定詞とは何ものか、について解説していきます!

が、まじめに説明すると少し堅苦しいので、堅苦しいのが苦手な人は用法から少しスクロールして用法から入ってもらっても大丈夫です!

そもそも不定詞とは??

そもそも不定詞というのは「動詞の使われ方」を表す言葉で、「動詞の主語や人称、数、時制、法などで形式が変化することがない使われ方」をする動詞のことを指します。

「I sing」とか「He sings」とか「You sang」みたいな述語動詞Vは、主語などの情報によって、動詞の形が決まりますが、不定詞は常に原形を使うルールになっています。

そして不定詞の中には、動詞の原形の前にtoがつく「to不定詞」と、toがつかない「原形不定詞」があります。

to不定詞と原形不定詞の違いは?

to不定詞については、中学校でもあらかた用法を習うので、詳しい人も多いはず。

詳しいことを知りたい人はこちらの記事もチェックしてください!
>>to不定詞の全用法【名詞的用法・形容詞的用法・副詞的用法+α】

原形不定詞はto不定詞と違って、toなしで動詞の原形を使う他、to不定詞とは違って名詞・形容詞・副詞の用法はありません。

原形不定詞の用法・使われ方は3パターン+α

原形不定詞の用法は主に以下の3つです。

  • 助動詞の直後
  • 知覚動詞の目的格補語(第5文型のC)
  • 使役動詞の目的格補語(第5文型のC)

またこれとは別に慣用表現的なものもいくつか覚えておく必要があります。

3つの基本用法と慣用表現を見ていきましょう!

助動詞の直後

「原形不定詞」という文法用語など一切意識せずに、助動詞の後ろは「動詞の原形」と覚えている人の方が普通だとは思いますが、助動詞の直後は原形不定詞です。

というのも、助動詞の直後は主語の単複や時制などに影響を受けないという、上述した不定詞の要件を満たしているからです。

※状況によって形が変わるのは助動詞の方であって(can→couldのような変形)、直後の動詞は動詞の原形が必ず入ります。

例文を挙げる必要もないとは思いますが、一応挙げておきます。

I can swim.
私は泳げる。

She must be asleep.
彼女は眠っているに違いない。

逆に以下のような例は原形不定詞ではなく、to不定詞の仲間になります。

You ought to apologize.
君は詫びるべきだよ。

というのも、toの後ろに動詞の原形が必ず来るので。

不定詞を意識するのであれば、「ought to + 動詞の原形」というよりは「ought + to不定詞」という感覚で見るのがいいでしょう。

知覚動詞の目的格補語

高校で習う英文法や、大学受験などで出てくる英文法においても重要度が高いのは、残り2つの原形不定詞の用法でしょう。

まずは知覚動詞の目的格補語に原形不定詞がくる場合を見ていきます。

ちなみに目的格補語というのは、第5文型のSVOCのCの所にある補語のことを指します。

※第2文型のSVCのCは主格補語という名前があるので一応覚えておくといいでしょう。

能動態の場合

知覚動詞は能動態で使われる時と、受動態で使われるときで後ろに続く語が少し変わってくるので注意して覚えておく必要があります。

まず能動態でSVOCのVの位置に知覚動詞がくる場合、Cの位置に原形不定詞が入ることができます。

例えば次のような感じです。

I saw the man get out of the car.
私はその男が車から降りるのを見た。

この「get」は「saw」に対応して過去形の「got」になっているわけではないですし、「get」の主語となる「the man」に対応して現在形の「gets」になっているわけでもありません。

あくまでもここに入っているのは原形不定詞です。

ちなみに同じ位置に現在分詞の「getting」が入ることもあります。

かなり似た意味になりますが、

  • 原形不定詞→降り始めるところから降り終わるところまで見た
  • 現在分詞→降りる動作の途中を切り取って見た

という意味の違いが出てきます。

受動態の場合

先の例文の目的語の部分を主語に持ってきた受動態の場合は、次のように書き換えられます。

The man was seen to get out of the car.
その男は車を出るところを見られた。

この場合は、「to get」というto不定詞に変わるのがややこしい所なので、ぜひ覚えておいてください。

この他、知覚動詞についての詳しい解説は以下の記事をご覧ください!

>>知覚動詞と原形不定詞・現在分詞・過去分詞の全パターンを解説!受動態のときの注意点も一緒にチェックしよう!

使役動詞の目的格補語

次に使役動詞について。

こちらも知覚動詞と同じ形で原形不定詞が出てきます。

My mother made me clean my room.
母は私に部屋の掃除をさせた。

この場合も「clean」は過去形や現在形ではなく、原形不定詞です。

知覚動詞の場合も、使役動詞の場合も、SVOCのC(目的格補語)の部分に原形不定詞が入るときは、OとCの間に主語述語の関係があるのも覚えておくといいでしょう。

使役動詞の場合は、普通「make」以外は受動態にならないですが、「make」の場合は、受動態にすると、知覚動詞と同じく原形不定詞ではなくto不定詞を使います。

I was made to clean my room.
私は部屋を掃除させられた。

使役動詞の詳しいことは次の記事で解説しています!

>>使役動詞make,have,get,letの全9用法をニュアンスの違いも含めて完全解説!

慣用表現

ここまででも十分ではありますが、せっかくなので慣用表現も覚えておきましょう。

慣用表現のほとんどは助動詞の単元で習う内容になっているので、助動詞の復習と思ってインプットしてもらえればと思います。

  • had better
  • would rather, would sooner
  • may as well as
  • do nothing but
  • cannot help but

had better

「had better」も直後に動詞の原形がきますが、これも原形不定詞です。

You had better see a doctor.
医者に診てもらいなさい。

「〜しなさい」「〜するのがよい」という命令・忠告を表します。

特に「you」を主語にすると命令に聞こえるので、使い方には注意が必要です。

「not」をつける位置をよく間違えるので、ちゃんと覚えておいてください。

You had better not go to school today.
今日は学校に行ってはいけません。

「had better」には「~した方が良い、さもないと悪いことがあるよ」というニュアンスがあることも合わせて覚えておくといいでしょう。

would rather, would sooner

「would rather 原型不定詞」は「むしろ~したい」を表現するときに使います。

I would rather go hungry than associate with con artists.
詐欺師と付き合うくらいなら、むしろひもじい思いをする方がましだ。

上の例のように「than 原形不定詞」があとにくっついて「~するくらいなら、むしろ~したい」「~するくらいなら、~するほうがましだ」という意味を表現することもできます。

「would sooner ~ than ~」も同じ意味で使えますが、「would rather」よりもやや改まった表現になります。

may as well as

次は「気は進まないけど(しないよりは)~したほうがいい」という表現をしたいときに使うものです。

We may as well as go in the rain. It will never stop.
雨の中を行ったほうがいい。やまないだろうから。

「may as well as 原形不定詞」の形で消極的な提案を表します。

また「may」の代わりに「might」を使うこともできて、やや控えめな表現になりますが、それは仮定法の一種だからですね。

後ろに「as 原形不定詞」をつけて、次のように言うこともできます。

You might as well throw your money away as spend it on such a thing.
そんなことにお金を使うくらいなら捨ててしまったほうがましだ。

極端な例えを述べる時に使う表現と覚えておくといいでしょう。

do nothing but

「~ばかりする」という意味で、次のような表現を使います。

The child did nothing but cry all morning.
その子は、午前中泣いてばかりいた。

ここで出てくる「but」は「~以外」という意味の「but」で「do nothing but 原形不定詞」の形で「~する以外のことを何もしない」から「~ばかりする」という意味になります。

cannot help but

「~せずにはいられない」「~せざるを得ない」という意味を表すときには、次の表現が使えます。

I cannot help but agree with you.
あなたに同意せざるを得ません。

もともと「避ける」という意味の「help」を使って、「cannot help doing」=「~することが避けられない」という風に使う用例と、

「~以外」という意味の「but」を使って「cannot but do」=「~すること以外できない」という風に使う用例が混ざったものが、「cannot help but do」です。

「cannot help doing」は使いますが、「cannot but do」は堅かったり、古かったりする言い方で「cannot help but do」の形の方が普通になっています。

その他、canの用法についてはこちらの記事で詳しく解説しています!

>>canの7つの用法&慣用表現を全解説!be able to との違いも詳細に解説します!

まとめ

今回は原形不定詞について、解説しました!

原形不定詞で覚えるべきことは、

  • 助動詞の直後
  • 知覚動詞の目的格補語
  • 使役動詞の目的格補語

の3つのメインの用法+慣用表現でした。

しっかり覚えて使いこなせるようになってくださいね!

それではまた、所長でした!