文法

現在時制の5種類の用法を全て解説!未来や過去の意味を表す用法もある!?

ども、ぽこラボ所長です!

今回は現在時制の用法を全て解説します!

現在時制は名前に反して未来のことや過去のことを表す用法もあるので、そのあたりのことも含めて勉強していきましょう。

細かいところまで例文つきで解説するので、例文もぜひ合わせてご覧ください!

目次

現在時制の用法は全部で5種類

現在時制は「現在」とついてはいますが、現在以外の時間についても表現することができ、以下の5パターンの意味を表現することがあります。

  • 現在のことを表す
  • 過去のことを表す
  • 未来のことを表す
  • 完了のことを表す
  • 現在・過去・未来にわたって(超時的な)真実なことを表す

この記事では上の順に全て解説しますが、このうち受験などでの重要度が高いのは、

  • 現在
  • 未来
  • 超時

の3つということも意識して読んでいただければと思います。

まずは現在のことを表す表現から始めますが、それは次の4つのパターンに分類できます。

  • 現在の状態
  • 現在の習慣的行為
  • 主語の習性・属性
  • 現在の動作

順に見ていきましょう!

現在の状態

まずは「現在の状態」を現在形で表す場合です。

状態動詞を使う!状態動詞には2種類

現在の状態は、「状態」を表すので「状態動詞」が使われます。

状態動詞は2種類に分類でき、それが私的動詞と関係動詞と言われるものです。

さらにその私的動詞に関しては、2種類に分類でき、「精神的活動を表す動詞」と「感覚を表す動詞」があります。

それぞれの例を見ていきましょう!

私的動詞で現在の状態を表す場合

私的動詞には上述の通り、「精神的活動を表す動詞」と「感覚を表す動詞」があります。

精神的活動を表す動詞の場合は、次のような使い方をします。

I believe that he is mistaken.
彼は間違っていると思う。

このほかにも、

think, imagine, forget, rememberなど

頭の中で起こる精神的活動を表す動詞がいくつかあります。

こういったものは状態動詞の中の私的動詞の一種です。

また、感覚を表す動詞の場合も例文を挙げると以下のようになります。

I can see Mary over there.
向こうにメアリーが見える。

こちらは五感などに関することを表す動詞で、他には

smell, hear, taste, feelなど

があります。

私的動詞は、話し手にしか観察できない心理状態や感覚を表すものなので、主語は「I」になるのが普通です。

関係動詞で現在の状態を表す場合

関係動詞は2つのものの間の様々な関係を表す動詞です。

This car belongs to my father.
この車は父のものです。

Mary prefers winter to summer.
メアリーは夏よりも冬の方が好きだ。

このほかにも、以下のようなものがあります。

adjoin, border, become(第3文型), complete, comprise, contain, consist, depend, deserve, differ, entail, exceed, exclude, extend, fill, fit, have, include, need, owe, possess, preclude, prefer, require, suitなど。

一般に状態動詞は「状態が持続すること」を前提にするので、進行形にはしません。

状態動詞はこちらでも解説しています!
>>状態動詞と動作動詞の違いは?状態動詞が例外的に進行形になるときは?

現在の習慣的行為

現在時制の2つ目は現在の習慣的行為です。

I usually eat bread for breakfast.
私はたいてい朝食にパンを食べる。

例文のように、頻度を表す副詞や副詞句を伴うことが多いのが特徴です。

頻度を表す副詞

always, almost always, every day, every week, every Sunday, never, often, rarely, sometimes, seldom, twice a week, usuallyなど

主語の習性・属性

次は主語の習性や属性について。

こちらは易しい文法書だと、出てこないかもしれませんが実際の英文ではそこそこお目にかかります。

Beavers build dams.
ビーバーはダムを造る。

これはある(動物)種についての属性を表す総称文になっています。

「その主語はそういう特徴を持っているもの」みたいな内容を表現するときに現在形を使って表現します。

現在の動作

続いては、現在の動作についてです。

現在時制の中では割と特殊な方で、特定の状況でしか見かけることはありません。

※現在時制は動作動詞を使う場合でも、上述のような比較的「状態」に近いことを表現するのが一般的です。

現在の動作を現在時制で表すのは、次の3つのパターン。

  • 解説の現在
  • 眼前の事実を感嘆的に指摘する
  • 宣言の現在

解説の現在

この用法はマジシャン、料理家、理科の先生などがパフォーマンスやデモンストレーションをするときに、自分の動作を解説する用法です。

I place the rabbit in the box and close the lid.
ウサギをこの箱に入れます。そしてふたをします。

他にも、

  • 劇のト書き
  • 小説、映画、オペラなどのプロット
  • 旅行日程表
  • 薬品などの使用説明書

などで見られます。

「過程を順を追って解説する」という共通点がありますね。

眼前の事実を感嘆的に指摘する

現在時制には、目の前で不意に起きたできごとに対して、反射的に驚嘆の声を発する用法があります。

移動の動詞が使われることが多いのが特徴です。

Napier passes the ball to Attwater, who heads straight into the goal!
ネイピアがアットウォーターにボールをパス!そしてアットウォーターはボールをまっすぐにヘディングしてゴールに入れる!

宣言の現在

宣言の現在は、発言することが行為となるような「遂行動詞」に見られます。

I hereby declare the meeting closed.
ここに閉会を宣言します。

「hereby」と一緒に使われるのが典型的な例で、儀式的な場面で使用されます。

このほか日常的場面でも使われますが、例えば

I accept your offer.
お申し出をお受けします。

We thank you for your recent inquiry.
最近のお問い合わせありがとうございます。

などがあります。

遂行動詞の例もまとめておきますね!

admit, accept, appoint, beg, bequeath, declare, name, order, promise, request, sentence, thank

過去を表す場合

ここまでで現在時制で現在のことを表す表現はまとめおわったので、次に現在時制で過去のことを表す表現に移っていきます。

受験や資格試験などではほとんど見受けることはないかもしれませんが、小説などでは見かける用法なので、ぜひここでまとめて勉強しておきましょう。

受験などに出てくるものだけ学習したい場合は、未来を表す表現の所まで飛ばしてもらって大丈夫です!

歴史的現在

歴史的現在は、主に小説で出てくる用法です。

過去の一連の出来事をあたかも読者の眼前で起こっているかのように、いきいきと描写する目的で用いられます。

I’m walking along the street last night, when this strange man comes up and threatens me with a knife.
昨夜私が通りを歩いていましたら、この見知らぬ男が私の方にやってきてナイフで脅すのです。

「comes」の所と「threatens」の所が、「last night」の過去に対応せず現在時制になっていますね。

年代記の現在

年代記の現在は歴史的事件を「現在も妥当な事実」として記録するものです。

Even Late Northumbrian (of about 970) is entirely free from Scandinavian influence.
後期ノーサンブリア方言(約970年ごろの)でさえ、スカンジナヴィア語の影響は全く受けていない。

970年という過去の事ですが、「is」という現在時制が用いられています。

このほかにも歴史年表や新聞の見出し、キャプションなどにも用いられます。

1867 – Brahms finishes his first symphony.
1867年 ブラームス、最初の交響曲を完成。(年表)

The President Regan leaves the hospital.
レーガン大統領退院(新聞写真のキャプション)

未来を表す場合

次は現在時制が未来のことを表す場合。

こちらは比較的易しい文法書にも載っていますし、試験問題としても頻出の内容です。

実現が客観的に確実なことがら

最初は実現が客観的に見て確実な事柄を表す場合です。

時刻表やカレンダーなどの決まっているものの例がこちら。

Tomorrow is Sunday.
明日は日曜日です。

The next train leaves in ten minutes.
電車は10分後に出ます。

この他、変更がないと思われる予定に対しても使われます。

We start for Venice tomorrow morning.
私たちは明朝ベニスへ出発することになっています。

未来のことに対して「will」や「be going to」などを使わず、現在形を使っていますよね。

時の副詞節、条件の副詞節

時と条件の副詞節の中では「will」を使わない

ということは受験では頻出の文法事項です。

例えば、次のように未来のことでも現在形を使います。

Please call me when you arrive at the hotel.
ホテルに着いたら電話をください。

If it rains tomorrow, we will stay home.
もし明日雨が降れば、私たちは家にいます。

「when」や「if」が時と条件の副詞節を導く接続詞の典型的な例ですが、このほかにも次のようなものがあります。

when, until, till, before, after, by the time, the next time, as soon as, if, unless, in case

ちなみに「when」や「if」は副詞節を導く場合もあれば、名詞節を導く場合もあります。

名詞節の場合は、節の内部に「will」が入ることもあります。

I don’t know when he will be come back.
彼がいつ戻ってくるのか私は知らない。

完了を表す場合

現在時制が現在完了形とほぼ同じ意味に使われることもあります。

試験に出るレベルではそれほど重要ではありませんが、ここで見ておきます。

おもに伝達動詞と言われる動詞の場合に見られますが、それ以外の場合でもあるので、合わせて見ていきましょう。

伝達動詞の場合

まずは伝達動詞の場合からです。

伝達動詞を2つに分類します。

  • 発信動詞
  • 受信動詞

発信動詞は

ask, say, tell, write

などの動詞です。日本語との対応もイメージしやすいかと思いますが、「何か情報を発信する」ことに関係する動詞ですね。

一方で受信動詞は、

hear, learn, find, read, see, be told, be informed

などの動詞でこちらは「情報を受信する」ことに関係する動詞です。

発信動詞

発信動詞の現在形が完了形と同じような意味で使われている例を見てみましょう。

John tells me I’m wrong.
ジョンに言わせると、ぼくがまちがっているんだって。

The ten o’clock news says that it’s going to be cold.
10時のニュースによれば、寒くなるとのことだ。

ここで挙げた例は、過去におけるメッセージの発信を述べるものなので、現在完了や過去時制が期待されますが、

「受け手にとっては伝達が現時点で有効なので、現在形を使う」という説明もあるみたいです。

理由は考えずに「そういう例もあるのか」くらいでもいいかと思います。

受信動詞

受信動詞でもやはり同じ理屈で現在形を使う場合があります。

I hear you’ve bought a house.
家を買われたそうですね。

I see in the papers that the Prime Minister is ill.
新聞によれば、首相は病気とのことです。

その他の動詞の場合

「come」「bring」などは現在の状態に関心があるときは現在時制を、動作の完了に関心がある場合には現在完了形を用います。

現在完了形になる方が一般的ではありますが、現在形になる場合も見ておきましょう。

I come here to forget it.
I have come here to forget it.
それを忘れるためにここに来た。

ここに来ている状態に重きを置くときには「come」を、ここに来るという動作が完了したことに重きを置くときには「have come」を使います。

超時的現在

過去、現在、未来にわたって通用する内容を表すことが文脈によってはあります。

受験や試験でも割と出てくる内容なので、しっかり頭に入れましょう。

普遍的な真理、社会通念、ことわざ

まずは「全ての時について妥当な」科学、数学、などの内容を述べる時に使われる普遍の真理についてです。

Oil floats on water.
油は水に浮く。

「油が水に浮く」のは過去でも現在でも未来でも妥当ですよね。

ですので、現在形の超時的な内容を表す表現を使います。

他にも

Water boils at 100℃.
水は摂氏100度で沸騰する。

Birds lay eggs.
鳥は卵を生む。

なども同様です。

また格言やことわざなどに使うこともあります。

Necessity is the mother of invention.
必要は発明の母。

地誌的な内容も、実質時間的な制限はないので、以下のように表現することがあります。

Rome stands on the River Tiber.
ローマはテベレ川に臨んでいる。

※厳密には、川の形とか山の形は何らかの要因で変わることがありはしますが、実質的にはそういったことはほとんど起こらないと考えていいですよね。

一定の条件

論理的な「Aが真ならBも真」といった内容を表すときにも、現在形を用います。

If you’re happy, you make others happy.
自分が幸福なら、他人も幸福にできる。

If he acts like that, he’s a fool.
そんなふるまいをするなら、彼はばかだ。

まとめ

この記事では、現在時制の用法を全て見てきました。

現在時制と言いつつも、内容としては、未来のことや過去のこと、そして時間の流れに対して普遍的なことを表現するのにも現在形は使います。

全用法は改めて、こちらに簡単にまとめておいたので、図も見ながら覚えてみてはいかがでしょうか。

それではまた、所長でした!