文法

完了進行形と完了形の違いとは?現在・過去・未来完了進行形を全て解説!

ども、ぽこラボ所長です!

今回は完了進行形について解説します。

完了進行形という名前の通り、完了形と進行形が合体したような形になっていますが、日本人には馴染みのない形なので、高校生に教えていても戸惑う人が多い印象です。

実際の所、読解をする分には完了進行形の理解が曖昧でも困ることは少ないですが、それでも理解しておきたいという方も多いと思うので、今回は現在・過去・未来の完了進行形について解説していきます。

特に「完了進行形と完了形の違いは?」という質問をされることが多いので、そのあたりを詳しく解説していきますね!

目次

現在完了進行形の基本イメージ&完了形との違い

まずは1番基本となる現在完了進行形から見ていきましょう!

現在完了進行形の使われ方が分かっていれば、過去や未来についても楽々理解することができます。

現在完了進行形の形と基本イメージ

現在完了進行形の形は

S have been doing ~ + 時の副詞語句.

となっています。

「過去のある点で始まった動作が発話時点まで続いていて(完了形的な意味)、しかも将来も継続する(進行形的な意味)見込みがある」ことを表現するときに使います。

完了形の特徴として、時を表す副詞語句がセットとして出てくることが多く、また進行形の特徴として、動作動詞が基本的には使われます。

以下の具体例で見ていきましょう!

完結的動詞の場合

動詞の中でも完結的な特徴を持ったものは現在完了形と現在完了進行形で違いが出ます。

I have written some letters this afternoon.
きょうの午後は、何通が手紙を書いた。(書き終わった。)

I have been writing letters all afternoon.
午後からずっと手紙を書いている。(まだ書き終わっていない。)

完結的な特徴というのは、「終わりがある動作」のことですね。

上の例だと、手紙は書き終わり得るので、「write」は完結的な特徴を持っていると言えます。

こういった動詞の場合は、

現在完了形→動作の完結を表す
現在完了進行形→動作の未完結を表す

という違いが出てきます。

よって、「have written」だと「書き終わった」ことを、「have been writing」だと「書いている途中である」ことを表現できますね。

瞬時的動詞の場合

次は瞬時的な特徴を持った動詞について見ていきます。

一瞬で動作が終わる特徴のことを瞬時的と言います。

ここでは一瞬で動作が終わる「meet=会う」という動詞の例文を見ましょう!

Where have you been meeting them?
彼らとどこで会っていたのか。(反復)

Where did you meet them?
彼らとどこで会ったのか。(1回)

瞬時的動詞は、進行形にしない例だと「1回」の意味になります。

一方で現在完了進行形にすると、過去のどこかから反復的に会ってきて、今後も会う可能性が高いことを発話者が意識していることになります。

状態動詞の場合、非完結的・非瞬時的動詞の場合

状態動詞や非完結的・非瞬時的動詞の場合は、進行形にしなくても「継続」の意味を表現することができます。

例えば次の例文のようにです。

I have loved Mary for ten years.
10年前からメアリーを愛してきた。

I have taught here for six years.
6年前からここで教えてきた。

「love」は状態動詞ですし、「teach」は非完結的・非瞬時的な動詞なので、現在完了形にするだけで、「これからも継続する」ニュアンスが出ます。

一方で、進行形にできないというわけでもなく、進行形にすると「一時的な状況」という意味を表現することができます。

例えば、次の例文を見てみましょう!

I’ve been living in Sue’s flat for the last month.
この1か月、スーのアパートに住んでいる。

この例だと完了形に進行形の要素を足したことによって、「一時的に住んでいるだけ」というような意味合いが付加されています。

ふつうの進行形でも「一時的な意味」を表現することができますが、それは以下の記事をご覧ください!
>>現在進行形と過去進行形の細かい用法まですべて解説!

最近の過去

「ついさっきまで動作が継続していた」という最近の過去についても、現在完了進行形で表現することができます。

Be careful! John has been painting the door.
気を付けなさい。ジョンが(さっきまで)ドアにペンキを塗っていたんだから。

この例だと「has been painting」となっていることで「ついさっきまで塗っていたから乾いていない」ことが分かりますが、「has painted」なら完了の意味として「塗り終わった」とだけ解釈されるので、乾いていてもおかしくないことになります。

この用法は進行形と同じく、驚き・不快・いらだちの感情を帯びることもあります。

Someone has been tampering with this lock.
誰かこの錠前をいじくっていたんだな。

進行形の記事でも解説しているので、そちらも参考に!
>>現在進行形と過去進行形の細かい用法まですべて解説!

過去完了進行形の基本イメージ&完了形との違い

続いては過去完了進行形です。

過去完了進行形の形と基本イメージ

過去完了進行形は過去+完了+進行の以下の形を取ります。

S had been doing~ + 時の副詞語句.

こちらも多くは時の副詞語句を伴いますね。

過去完了進行形は、過去のあるときまで、それより前から始まった動作が継続していることを表現するときに使います。

いくつか以下で例を見ていきましょう!

現在完了進行形の過去バージョン

基本は現在完了進行形と同じで、それを過去に丸っと時制を移動させた形になります。

完結的動詞の場合だと以下のような例があります。

I’d been reading the book for two hours when he came.
彼が来たとき、私はその本を2時間ほど読書していたところだった。

こちらは「he came=彼が来た」という過去の時点で、それより前に始まった「read the book」が続いている状況を表現していますね。

そして、彼が来た時点ではまだ読み終えていなかった(未完結)ことも合わせて読み取れます。

瞬時的な動詞の場合は、やはり反復を表します。

He had been trying to get her on the phone.
彼は彼女を電話口に出そうと試みていた。

この例文の場合は、何度も「try=試みて」いたことを表現していますね。

※「過去のある時点」が前後の別の文章中で表現されていて、明らかな場合は、上の例のように表現しないこともあります。

時制の一致パターン

時制の一致の関係で、過去完了進行形で表現するときもあります。

He told me that he’d been repairing the engine.
彼はエンジンを修理していたんだと言った。

彼の発話時点では「I heve been reparing the engine.」的なものだったはずですが、それが「told=言った」という過去の出来事になっているので、過去完了進行形で表現されているわけです。

最近の過去

現在完了進行形の「最近の過去」の意味に対応するものが、過去完了進行形にもあります。

She was very tired. She’d been typing letters all day.
彼女はひどく疲れていた。一日中手紙をタイプしていたのだった。

「was very tired」のタイミングで「type letters」が終わっていれば、最新の過去。

終わっていなければ、継続を表す用法になっています。

未来完了進行形の基本イメージ&完了形との違い

最後は未来完了進行形です。

未来完了進行形の形と基本イメージ

まずは形からですね。

will/ shall have been doing~ +時の副詞語句.

こちらが基本の形となります。

1人称のときは「will」「shall」のどちらも使いますが、それ以外の場合は「will」を使います。

未来のある点まで動作が継続していることを表すのが、未来完了進行形の基本の意味です。

現在完了形の未来バージョン

まずは以下の例文から見ていきましょう。

I shall have been waiting an hour when the clock strikes six.
時計が6時を打つと、1時間待ったことになる。

この例だと、when節が未来の基準となる点を指していて、その時点までに「wait=待つ」動作をし続けることを表現しています。

「when節」の他にも「by句」を用いて、未来の時点を表現することがあります。

By the end of the month he will have been climbing mountains for twenty years.
今月の末で、彼は20年間山登りをしていることになる。

この例の場合は、反復を表現している例になりますね。

※「climb」が瞬時的な動詞という説明は少し難しい気もしますが、、、

時制の一致

未来完了進行形の過去形もあります。

ちょっとややこしいんですけど、未来の意味を表す「will」や「shall」は正確には、法助動詞の「現在形」なので、過去時制の「would」や「should」を使うこともあり得るということですね。

I told him last year that at the following Christmas, I should have been living here for ten years.
来年のクリスマスで、私はここに10年すんでいることになる、と去年彼は言った。

去年、彼が発話した時点では「At the next Chrismas, I shall have been living here for ten years.」的な発言をしていたはずですが、その過去の出来事を回想して「told=言った」時点では過去のことなので「should」を使っています。

まとめ

今回は完了進行形について、詳しく解説しました。

特に現在完了進行形は、現在完了形と意味が違う場合があり、かつ頻繁に見かけるものなので、よく理解しておくといいでしょう。

過去完了進行形や未来完了進行形は、現在完了進行形ほど見かけることは少ないですし、意味も実際のところ完了形と変わらないこともあるので、そこまで重要視しなくても日常的に困ることは少ないかもしれません。

とはいえ、最低限知識として蓄えておくのは重要ですね。

それではまた、所長でした!