文法

canの7つの用法&慣用表現を全解説!be able to との違いも詳細に解説します!

can be able toの完全解説

ども、ぽこラボ所長です!

今回は「can」「could」「be able to」について詳しく解説します。

そもそもcanにかなり多くの用法があるだけでなく、過去形になるときには、仮定法も関わってくる少し難しい部分もあるので、そのあたりも含めて丁寧に勉強して暗記しておく必要があります。

ぜひ最後まで読んで、それぞれの意味と違いについて詳しく理解しておきましょう!

この記事の内容は以下の通り。

  • canの基本7用法
  • couldの基本用法
  • canとbe able toの違い
  • can、be able to、possibleの言い換え
  • canの慣用表現

目次

canの基本7用法

まずはcanの基本用法を7つ解説します。

文法書などを見るともう少し「まとめて」少ない項目数で解説しているものも多いはずですが、塾講師としての経験上、あえて7つに「分けて」解説した方がインプットしやすいと思いますので、ここでは細かめに分けて解説します。

能力「~することが(能力的に)できる」

最初は「~することが(能力的に)できる」という「可能」の意味からです。

この意味で使う例文をいくつか見てみましょう。

She can play the piano.
彼女はピアノが弾ける。

She can’t play the piano.
彼女はピアノが弾けない。

こちらは「ピアノを弾く能力を持っている」(あるいは持っていない)状況を説明しています。

中学校でもよく出てくるような表現なので、自然に使うことができるでしょう。

この能力的にできることを表現する場合、主語が人間でなくても同じ使い方ができます。

Robots can explore areas that we cannot safely visit.
ロボットは、我々には安全に訪れることができない場所を探検することができる。

ロボットに能力が備わっている状況を表すので、このようにcanを使って表現してOKです。

可能「~することが(状況的に)できる」

2つ目も日本語にすると「~できる」という同じ言葉を使いますが、今回は「(状況的に)~できる」という意味のcanです。

日本語の「できる」にも「能力的にできる」とは別に「状況的にできる」の意味で使う「できる」がありますよね。

例文を見ていきましょう。

You can ski here. There are something like 3 meters of snow.
ここならスキーができる。3メートルほどの雪があるから。

I can come to the party tomorrow.
明日、パーティーに行くことができます。

これらは「スキーをするのが状況的にできる」「パーティーに参加するのが状況的にできる」を表していて、主語の能力には関係ありません。

可能性・推量「~することがあり得る」

続いては、「推量」や「可能性」といった言葉で説明するcanです。

Even the best doctors can make a mistake.
どんなに名医でもミスを犯すことはあり得る。

Smoking can cause serious health problems.
喫煙によって健康に重大な問題が生じ得る。

こちらは可能性があることを示すcanなので、「〜できる」ではなく「することがあり得る」という風に訳すのが自然です。

疑問文の場合は、

Can the rumor be true?
そのうわさは本当だろうか。

(「本当であることがあり得るだろうか」→「本当だろうか」)

などのように「あり得るだろうか」という意味になるので、文脈によっては反語の意味にも使われます。

「あり得るだろうか?いや、ありえない」というような意味ですね。

より分かりやすい例だと次のような感じになります。

Can two opposing statements be true at the same time?
2つの正反対の陳述が同時に真実だなんてことがあり得るだろうか。(いやあり得ない)

否定形のcan’tやcannotで用いるときは、「あり得ない」よりは、強い否定の「~なはずがない」という風に訳すのが一般的です。

The rumor can’t be true.
その噂が本当であるはずがない。

“Someone is knocking at the door. It might be Susan?”
“No, it can’t be Susan. She is in Paris now.”
「だれかがドアをノックしているよ。スーザンかもしれない。」
「いや、スーザンのはずがない。彼女は今パリにいるのだから。」

この強い否定のcan’tに対応する強い肯定の助動詞はmust「~に違いない」を覚えておきましょう。

The rumor must be true.
そのうわさは本当に違いない。

許可「~してもよい」

canの4つ目の意味は「~してもよい」という許可です。

まずは例文を見てみましょう。

“Can we sit down here?” “Yes, you can.”
「ここに座ってもいいですか。」「ええ、いいですよ。」

こちらのような疑問文とその返答の形式でよく出てきます。

日本語の「~できますか?」も許可の意味として使うことがあるので、canの使い方としては、「~できる」の延長線上でとらえやすいかもしれません。

否定文で使うときには許可の反対になるので、不許可や禁止を表します。

たとえば、

In soccer, you can’t touch the ball with your hands.
サッカーでは手でボールを触ってはいけない。

のような感じで使います。

申し出・提案「~しましょうか?」

許可の意味とかなり近いのですが、申し出・提案の意味になることもあります。

“Can I carry your books for you?” “Thank you.”
「本をお持ちいたしましょうか。」「ありがとう。」

「私が~してもいいですか?」→「私が~しましょうか?」と意味が少しずれるような感じです。

とはいえ、許可から毎回派生させて「申し出や提案の意味があったなー」と考えていると、スピードが遅くなるので、”Can I ~?”の形で暗記してしまった方がいいでしょう。

あるいは次の例文のように肯定文で提案をすることもあります。

You can use my cell phone.
私の携帯電話を使ってもいいですよ。

I can help contact him for you.
彼と連絡が取れるようにしてあげましょうか。

I can give you a lift to the station.
駅まで送って行こうか。

こちらは受験勉強だけしてきた人は慣れていないだろうと予想して多めに例文を拾ってきました。

すっと頭に入る状態にしておきたいですね。

依頼「~してもらえますか」

疑問文で主語がyouになったら「~してもらえますか」という意味になります。

“Can you open the door?” “All right.”
「ドアを開けてくれますか」「わかりました。」

Can you give me the overview of online procedures?
オンラインの手続きを教えてもらえますか。

こちらは中学英文法のレベルからよく見かけるパターンですね。

ちなみに以下の例文のように、否定疑問文になると、懇願的あるいは不平的な響きになります。

Can’t you help me?
手伝ってもらえないの?

can+知覚動詞(進行形)

最後は少し特殊なので、覚えていなくてもそれほど大きな支障はないと思いますが、知覚動詞とcanがセットで使われたパターンです。

次の2つの例文を比較しましょう。

I hear a knock at the door.
ドアをノックする音が聞こえる。

I can hear a knock at the
ドアをノックする音が聞こえている。

現在形の場合だと、現在聞こえている状態を表すのではなく、普段からノックする音が聞こえているのに対し、

下のcanとセットの例文では、今現在ノックする音が聞こえている状態を表しています。

知覚動詞は進行形のbe doingと相性が悪いので、このようなcanを使って進行形のような意味を表すときもあるんだなーくらいに思っておくといいでしょう。

couldの基本用法

ここまではcanの7つの用法をまとめました。

続いてcouldを説明していきます。

couldは一般的にcanの過去形と思っている方も多いのではないかと思いますが、そう簡単ではありません。

まずは、canをそのまま過去形にしただけのパターンを見て、そのうえでそう簡単ではないパターンをずらっと見ていきましょう。

過去の能力「~することが(能力的に)できた」

最初は過去に能力的に「~することができた」状態を表すcouldの用法です。

例文としては、次のようなもの。

When I was young, I could walk forty miles in a day.
若いころは、私は1日に40マイルは歩くことができた。

あとで解説する was/were able toと違って、couldを使うときは「身に備わった継続的な能力」を示すので、この例文に関しては、

「若いころならいつでも~できた」のような意味で理解するといいでしょう。

さらにこの後解説する仮定法の条件節の省略と区別できるときにしか過去の意味で「(能力的に)~することができた」という意味では使わないのも合わせて覚えておいてください。

過去の可能「~することが(状況的に)できた」

つづいて、「状況的に~できた」の意味です。

Until a few years ago, anyone could enter the museum for free.
数年前までは、だれもがその博物館に無料で入れた。

こちらも過去の副詞句があるので、couldが過去の意味で、しかも「状況的に可能」の意味なんだなと理解できます。

過去のことが分かる文脈でなければ、こちらのcouldの用法も普通使わないことを覚えておきましょう。

過去の可能性・推量「~することがありえた」

過去の可能性・推量を表すときには、「can have 過去分詞」か「could have 過去分詞」のどちらかを使って「~することがありえた」という意味になります。

could の方が確信度が低いですが、日本語にしたときにはどちらも同じ日本語に対応します。

The accident can(could) have been much worse.
その事故はもっとひどいことになった可能性がある。

さらに否定形を使うと「~したはずがない」となります。

She can’t (couldn’t) have made such a mistake.
彼女がそんな間違いをしたはずがない。

ここで重要なのは「could 原形」では可能性や推量の意味にはならないという点です。

※ただし時制の一致を除く。

過去形と思わず基本的に仮定法を疑うべき

couldは、単純な「過去」のときだけではなく、「仮定法」もかなりの頻度で出てきます。

couldが出てきたら「canの過去だ!」と判断せずに「仮定法かも!」と疑うマインドを持ちましょう。

仮定法の説明をここですると長くなってしまうので、簡単にだけ説明しておきます。

仮定法とは「(ないかもしれないけど、もし仮に~~なら)」という前提(if節)のもとに、主節のSVが来る用法のことです。

仮定法の場合は、この主節のVの部分が過去形になります。

さらに、仮定法の前提となるif節は文脈から判断できるときに省略されることがあるので、その場合は、

「(if節省略) S + 過去形V」

の形になって、過去形と形が全く同じになってしまいます。

というわけで、couldもこのパターンに属することが多いということを頭に入れたうえで続きの解説をしていきましょう!

能力「(能力的に)~ができる」

couldを使って仮定法の意味で「能力的に~できる」を表すことがあります。

たとえば、

I could write it better myself.
私ならもっと上手に書けるよ。

など。「もしあなたじゃなくて、私が書いていれば」という仮定法の条件節の省略が入っていると考えます。

この場合は、couldが過去のことを表現しているのではなく、「仮定法+canの能力の意味」を表現しています。

可能性「ひょっとしたら~が起こる」

つづいても仮定法の例文です。

A regional conflict could break out.
地域紛争が起こる可能性もある。

こちらは「もし何かしらの衝突が起これば」のような仮定法の条件節が省略されていると考えます。

この場合も、coludは過去のことを表現するために用いられているのではなく、「仮定法+canの可能の意味」を表現するために用いられています。

丁寧な許可「~しても構わない」

許可や依頼などもcanではなく、couldを使う場合があります。

これも仮定法の一つとして捉えるのが自然です。

「もし差し支えなければ」「もし迷惑でなければ」などのように控えめな態度を示す仮定法の条件節が省略されていると考えるといいでしょう。

中学校でも以下のような例文を見ることがあるはずです。

“Could I ask you a question?””Of course you can.”
「質問してもよろしいでしょうか。」「もちろん、どうぞ。」

丁寧な依頼「~していただけますか」

依頼についても、couldを使うとcanよりも控えめな表現になります。

Could you give me the address of the author of this article?
この記事を書いた人の住所を教えていただけませんか。

これも「差し支えなければ」というif節の省略が入っていると思うといいでしょう。

canとbe able toの違い

ここまででcanとcouldの用法については見てきましたが、canと同様の意味でも用いられるbe able toについてもここから触れていきましょう。

具体的には、canとbe able toの違いをしっかり理解しておくと各種テストなどで失敗することもなくなりますので、ぜひここで覚えておくといいですね。

具体的には次の2つについて見ていきます。

  • 意味の違い
  • 用法の違い

canとbe able toの意味の違い

まずは意味の違いからです。

どちらも「能力」や「可能」の意味を表しますが、canは「継続的な能力や可能」の意味を表すのに対して、be able toは「一時的な能力や可能」の意味を表します。

※be able toに「推量・可能性」の意味はないことにも注意。

特に過去のことを指すときにはこの違いは明白で、以下の例文のような違いが出ます。

These ostrich-like dinosaurs could run as fast as 60 miles an hour.
ダチョウに似たこの恐竜は時速60マイルもの速さで走れた。

After a weekm the pain began to ease slightly and Lisa was able to get up.
1週間後には、痛みが少し和らぎ始めたので、リーサは起き上がることができた。

couldの方は、「その当時、継続的に能力があった」ことを表す例文になっているのに対して、

was able toの方は「その瞬間一時的に能力があった」ことを表す例文になっています。

もう少しかみ砕くと、「一度だけできた」ときはbe able toの方を、「何度でもできた」ときはcouldを使うと覚えておきましょう。

厄介なのは否定文のときにはどちらの場合もcouldn’tを使う場合が多いということなのですが、、、

He couldn’t pass the exam.
彼は試験に合格できなかった。

canとbe able toの用法の違い

意味の違いの他に用法の違いが3つあって、以下のトピックになります。

  • 無生物主語canのみ
  • 受身用法canのみ
  • 未来形・不定詞形・分詞形be able toのみ

それぞれ見ていきましょう。

be able toは無生物を主語にしない

用法上、canの文の主語には無生物が来ても大丈夫なのに対して、be able toの文の主語には生物しか来ません。

以下の例文にbe able toをあてはめることはできません。

No book can teach you to swim.
どんな本も泳ぎ方は教えてくれない。

be able toの後に受身は来ない

さらにbe able toの後ろに受け身の形が来ることはありません。

一方でcanのあとには受け身の形が入ることがあります。

He can be persuaded easily.
彼は説得されやすい。

be able toの未来形・不定詞形・分詞形

逆にbe able toでしか使わない形もあります。

それが、未来形と不定詞形と分詞形です。

例えば、次のような例があります。

Scientists will finally be able to determine Mars’ shape more accurately.
やがて科学者は火星の形をもっと正確に突き止められるようになる。(未来形)

You’ll be able to see the stars tonight.
今夜、星を見ることができるでしょう。(未来形)

I haven’t been able to decide which dress would be appropriate.
どっちのドレスが適当か決められないでいます。(分詞形)

I haven’t been able to contact her.
彼女と連絡が取れていない。(分詞形)

It is important to be able to see things from a bird’s-eye view.
物事を俯瞰して見ることが大事だ。(不定詞形)

どの場合も、動詞の原形が入るところに「能力」や「可能」の意味を付け足す必要があって、そのためにcanではなくbe able to が入ります。

can、be able to、possibleの言い換え

長くなってきましたが、残り2つ。次に解説するのはcan、be able to、possibleを使った言い換えです。

以下のような言い換えがすんなりできるようになっておくといいですね。

It is possible for him to do the work.
He is able to do the work.
He can do the work.
彼はその仕事ができる。

推量・可能性のcanもpossibleを使って言い換えることができます。

It is possible that he has done the work.
He can have done the work.
彼がその仕事をしたということは実際にありうることだ。

同様に否定形も整理しておきましょう。

It is impossible for him to do the work.
He is not able to do the work.
He cannot do the work.
彼はその仕事をすることができない。

It is impossible that he has done the work.
He cannot have done the work.
彼がその仕事をしたはずがない。

canの慣用表現

ラストです。

最後は暗記すべきcanの慣用表現についてまとめます。

cannot help doing、cannot help but do「~せざるを得ない」

最初は「~せざるを得ない」という意味の慣用句を2種類。

I cannot help laughing whenever I think of his joke.
I cannot help but laugh whenever I think of his joke.
彼の冗談のことを思い出すたびに笑わざるを得ない。

ここでのhelpは「~を避ける」という意味で、cannot help laughingで「笑うことを避けられない」から「笑わざるを得ない」という意味で取ることになります。

ここでのbutは「~以外」という意味で、もともとcannot but doで「~以外できない」から「~せざるを得ない」という意味に取っていましたが、

cannot help doingと、cannot but do の合体であるcannot help but doが今では自然な形になっています。

いずれの用法もwonder, think, feel, believeなどの動詞とともに用いられるので、この表現は感情や思考が自然に出てくる状態を表すと考えられます。

cannot ~ enough、cannot ~ too ~「いくら~しても、し足りない」

次は「いくら~しても足りない」という意味を表す形です。

I cannot thank you enough.
I cannot thank you too much.
いくら感謝しても足りないくらいです。

cannot ~ enoughは「十分に~することはできない」の意味から「いくら~しても、し足りない」という意味になります。

同様にcannot ~ too~ も「~すぎるほど~することはできない」の意味から「いくら~しても、し足りない」という意味になります。

いくつか例文を見て慣れておくのが重要でしょう。

I cannot praise this dictionary enough.
I cannot praise this dictionary too much.
この辞書はいくら褒めても褒めすぎにはならない。

cannot do without ~「~は不可欠だ」

続いては、「~は不可欠だ」の意味になるcannot do without ~です。

They cannot do without cars.
彼らにとって車は不可欠である。

ここでのdoは「うまくやっていく」のような意味でcannot do without ~ で「~なしでは上手くやっていけない」の意味から「~は不可欠だ」の意味になります。

不可欠の言い方は他にも以下のようなものがあるので、言い換えもできるようになっておくといいでしょう。

They cannot dispense with cars.
Cars are indispensable to them.
Cars are essential to them.
彼らにとって車は不可欠である。

まとめ

今回はcan、could、be able toについてかなり詳細に解説しました。

簡単にポイントをまとめると次のようになります。

  • canの用法「能力的に可能」「状況的に可能」「可能性・推量」「許可」「申し出・提案」「依頼」「知覚動詞の進行形」
  • couldの用法は「canの過去」ではなく「仮定法」を疑おう
  • can、be able toの違いは「意味の違い」「用法の違い」

それぞれどういった内容だったか例文とともに見返しておくことをおすすめします!

それではまた、所長でした!