文法

状態動詞と動作動詞の違いは?状態動詞が例外的に進行形になるときは?

状態動詞と動作動詞

ども、ぽこラボ所長です!

今回は動作動詞と状態動詞の違いについて詳しく解説します!

動作動詞と状態動詞の違いはとくに、「進行形」とのつながりが深いので、ここでしっかり覚えて進行形の学習にも役に立ててくださいね。

この記事の内容は次の通り。

  • 動作動詞と状態動詞とは?
  • 動作動詞の種類・例
  • 状態動詞の種類・例

それでは1つずつ見ていきましょう!

目次

動作動詞とは?状態動詞とは?

まずは動作動詞と状態動詞とはそれぞれどういう意味なのかから勉強していきます。

動作動詞は動作や行為を表す動詞で、自分の意志で左右できるものの中には

  • 一般動作動詞
  • 知覚を表す動作動詞
  • ある状態への移行を表す動作動詞
  • 瞬間動詞

があり、自分の意志で左右できないものの中には

  • 偶発的なできごとを表す動作動詞
  • ある状態への移行を表す動作動詞

があります。

後でそれぞれの具体例を見ます。

一方で状態動詞はある状態にあることや、その状態が続いていることを表す動詞です。

こちらは3種類に分けられて

  • 知覚を表す状態動詞
  • 存在や関係を表す状態動詞
  • 心理・思考を表す状態動詞

があります。

こちらも後で具体例を見ます。

動作動詞は一般的に進行形の形を取ることが出来るのに対して、状態動詞は進行形の形を取るのはごく限られた場面のみです。

※試験などでは「状態動詞は進行形にならない」と覚えておけば十分通用します。

この違いも意識しつつ、それぞれの動詞の例を見ていきましょう。

動作動詞の種類・例

ここからは動作動詞の種類とそれぞれの例を見ていきます。

自分の意志で左右できるもの

動作動詞には「自分(主語)の意志で左右できる行為を表す動詞」と、「自分(主語)の意志で左右できない行為を表す動詞」がありますが、その前者には以下の4つがあります。

一般動作動詞

一般動作動詞とここでは呼びますが、それは具体的には次のような動詞です。

drink「飲む」
eat「食べる」
fight「戦う」
make「作る」
read「読む」
say「言う」
work「働く」

文章の例だと次のようなもの。

He ate 5 hot dogs in 3 minutes.
彼はホットドッグを5本食べてしまった。

これらの仲間は進行形で表現すると、動作の継続「~している」という意味になります。

He was eating 5 hot dogs in 3 minutes.
彼はホットドッグを5本食べていた。

知覚を表す動作動詞

続いて知覚を表す動作動詞です。

具体例は次のようなものです。

listen「聞く」
look「眺める」
smell「においをかぐ」

ここで重要なのは、

「聞こえる」という状態を表すhearではなく、「聞く」というlistenという動作が動作動詞の仲間になっているということ。

動作動詞でも状態動詞でも、知覚を表すものがあるので、注意する必要があります。

知覚を表す動作動詞の例文としては、

Smell these roses.
これらのバラをかいでごらんなさい。

こちらも進行形にすると、動作の継続「~している」を表すことになります。

ある状態への移行を表す動作動詞

続いてある状態への移行を表す動作動詞です。

例は次のようなものです。

arrive「到着する」
leave「去る」
lose「失う」
stop「止まる、止める」

例文を挙げると次のようになります。

He stopped his car by putting on the brakes.
彼はブレーキをかけて車を止めた。

例えば「到着し続ける」「去り続ける」のような日本語と対応させると違和感があるのが、この動詞の仲間の特徴です。

とはいえ、一般動作動詞と細かく区別する必要はほとんどありません。

進行形にすると動作の途中「~している」を表すことになります。

瞬間動詞

瞬間動詞は一瞬で終わる動作を表す動作動詞です。

たとえば、

jump「跳ぶ」
knock「たたく」
nod「うなずく」

などがあります。

例文としては、

Please don’t kick the box.
そこの箱をけらないでください。

のような感じです。

これらの動詞を進行形にすると動作の反復「~し続けている」を表すことになります。

他と少し違うので注意が必要です。

The boy is kicking a ball.
そこの男の子はボールを何べんもけっている。

自分の意志で左右できないもの

続いては動作動詞の中でも「自分(主語)の意志では左右できない動作や行為」を表すものをまとめていきましょう。

偶発的なできごとを表す動作動詞

まずは偶発的なできごとを表す動詞の例がこちら。

encounter「出くわす」
fall「転ぶ」

この動作動詞は普通「命令形」にはなりません。

「出くわせ」とか「転べ」というのは、日常的になかなか使うことはないので、日本語から考えるとイメージしやすいかと思います。

一応、例文も挙げておきましょう。

I encountered a friend of mine on the plane.
私はたまたま、機内で友人に出会った。

ある状態への移行を表す動詞

続いては、ある状態への移行を表す動詞です。

上述のものとは違って、主語の意志ではどうしようもない移行を表すもので、具体的には次のような動詞があります。

die「死ぬ」
drown「溺れる」

「死ぬ」「溺れる」といった動作は主語の意志では左右できない動作で、ある状態からある状態への移行を表す動詞ですよね。

こちらを使った例文が以下の通り。

Many animals drowned in the flood.
洪水でたくさんの動物がおぼれ死んだ。

こちらは進行形にすると動作の途中を表して、「~しかけている」という意味になります。

状態動詞の種類・例

続いては状態動詞です。

状態動詞はある状態にあること、もしくはそれが継続していることを表す動詞です。

3つに大きく分けて解説します。

知覚を表す状態動詞

1つ目が知覚を表す状態動詞です。

具体例はこちら。

hear「聞こえる」
see「見える」
smell「においがする」

動作動詞と違って、知覚を表すときは「主語の意志に関係なく自然と知覚する、認識する」ときに使います。

You can see the Empire State Building from here.
ここからエンパイア・ステート・ビルが見えます。

こちらの基本的には進行形は使いませんが、注意が必要なのは、smellなどのように「動作動詞としても状態動詞としても使える動詞」です。

smellが「(自然と)においがする」という意味で使われるときには状態動詞なので、進行形にはなりませんが、一方で「(主語の意志で)においをかぐ」という意味で使われるときには動作動詞なので、進行形にすることがあります。

存在や関係を表す状態動詞

つづいては存在や関係性を表す状態動詞です。

例えば次のようなものがあります。

be「〜である」
belong「属している」
consist「成り立っている」
contain「入れている」
exist「存在する」
have「持っている」
include「含んでいる」
owe「金を借りている」
own「所有している」
possess「所有している」
resemble「似ている」
stand「立っている」

所有と非所有の関係も関係性を表す動詞なので、ここに属します。

She owns the house jointly with her husband.
彼女はその家を夫と共有名義で所有している。

Do you have your student ID card?
あなたは学生証を持っていますか。

この動詞の仲間が1番動作動詞と混同しやすいはずなので注意が必要です。

日本語にしたときに「~ている」と訳せるものの多くは状態動詞であることに注意しておくとミスを減らすことができるでしょう。

心理・思考を表す状態動詞

最後に心理、思考を表す状態動詞です。

こちらが例になります。

like「好んでいる」
love「愛している」
hate「嫌っている」
think「思っている」
believe「信じている」
know「知っている」
remember「覚えている」

「好む」や「愛する」などのように覚えるよりは、上の例のように「~ている」という意味で覚えた方が状態動詞っぽさが出るので、覚え方としては、この覚え方がおすすめです。

例文はこちら。

I believe you.
私はあなたの言うことを信じている。

I don’t know her phone number.
私は彼女の電話番号を知らない。

これも基本的に進行形にはなりません。

状態動詞が進行形になるとき

最後に状態動詞が進行形になるときについても整理しておきます。

状態動詞に動作動詞の意味もあるとき

まず最初は状態動詞としても動作動詞としても使われる語句の場合。

こちらに関しては、「状態動詞が進行形になる」という表現には正確には当てはまりません。

例えば have は「持っている」の意味の時は状態動詞ですが、「食べる」の意味のときは動作動詞なので進行形にすることができます。

Sally is having lunch now.
サリーは今、昼食を食べています。

他にも

I’m thinking of studying abroad.
私は留学することを考えています。

The girl is smelling roses.
少女はバラのにおいをかいでいる。

などの例文を頭に入れておくといいでしょう。

状態の経過を表すとき

続いては、状態動詞が経過を表すとき。具体的には「だんだんと~な状態になってきている」こと表すときです。

例えば、

Jim is resembling his father more and more.
ジムはますます父親に似てきた。

resemble は状態動詞ですが、徐々に「似ている」という状態に近づいている途中を表すときに動作動詞と同じように進行形にすることができます。

一時的な状態を強調するとき

最後に一時的な状態を強調するときにも状態動詞を進行形にすることができます。

例えば、

She is wearing a yellow T-shirt this morning.
彼女は今朝は黄色のTシャツを着ている。

Now my brother is living in Thailand for work.
兄は今、仕事でタイに住んでいる。

など、普通は進行形にしない wear や live も「その瞬間一時的に~な状態」であることを示すときには進行形にすることがあります。

まとめ

今回は動作動詞と状態動詞についてまとめました。

まとめると次のようになります。

動作動詞
主語の意志で左右できる「一般動作動詞」
主語の意志で左右できる「知覚を表す動作動詞」
主語の意志で左右できる「ある状態への移行を表す動作動詞」
主語の意志で左右できる「瞬間動詞」
主語の意志で左右できない「偶発的なできごとを表す動作動詞」
主語の意志で左右できない「ある状態への移行を表す動作動詞」

状態動詞
「知覚を表す状態動詞」
「存在や関係を表す状態動詞」
「心理・思考を表す状態動詞」

状態動詞が進行形として使われる場合
「動作動詞の意味もあるとき」
「状態の経過を表すとき」
「一時的な状態を強調するとき」

それぞれ該当する単語や例文を覚えておくといいでしょう。

それではまた、所長でした!