ども、ぽこラボ所長です!
今回は仮定法現在について解説します!
文法用語的にはもの凄くネーミングの悪い言葉で「仮定法」「現在」の両方とも、イマイチなのが、仮定法現在が分かりにくくなっている理由かもしれません。
仮定法現在は、特定の動詞と形容詞がキーポイントになるので、そのあたりを丁寧に解説していきます。
この記事を読めば、仮定法現在については全てわかった状態になるので、ぜひ参考にしてくださいね!
この記事の内容は以下の通り。
- 仮定法現在とは?
- 提案・命令・要求・主張を表す動詞一覧
- 必要性・重要性を表す形容詞一覧
- shouldとnotの位置
- その他の仮定法現在の例
1つずつ見ていきましょう!
目次
仮定法現在とは?
仮定法現在について理解するためには、「仮定法」という部分と「現在」という部分に分けて考えるのがいいでしょう。
仮定法とは?
まず仮定法ですが、日本語で「仮定」と聞くと、「~ならば」が入る文章をイメージするのではないでしょうか。
ですが、英文法で出てくる仮定法は少しそういったニュアンスとは違います。
学校では「現実には起こっていないこと、起こっていなかったこと、起こらなさそうなことを仮定する表現」のように習うのではないでしょうか。
その説明でも十分ですが、1つ付け加えるとしたら、仮定法は話し手の個々との中で考えられた(仮想)世界の状況を述べる時に使う表現です。
日本語で例を挙げるとすると
「もし(仮に)海の近くに住んでいれば~」
「もしあのとき(仮に)暇だったなら~」
「もし(仮に)あなたが本を書くとしたら~」
「彼の忠告が(仮に)なかったとしたら」
「(実際は大人なのに)まるで幼い子供のように」
こんな感じですね。
このどれも話し手(書き手)の頭の中で仮想世界を作って、その状況を述べる表現になっています。
特に注目してほしいのは最後の例。
「(実際は大人なのに)まるで幼い子供のように」の例は「~ならば」という日本語が入っていませんし、「仮定」の感じはありませんよね。
ですが、「話し手の中での仮想世界の話」という説明なら納得できるはずです。
英語で表現するときには、上述の全ての例で仮定法を使って表現することになります。
ちなみに仮定法の代わりに叙想法という言い方を使う文法書もあります。
仮定法現在は現在形ではなく原形を使う
続いて、仮定法現在の「現在」の部分について、簡単に注意点を述べて本題に入っていきます。
仮定法現在で焦点が当たる動詞は「現在形」ではなく、「原形」です。
現在形と原形の違いはbe動詞や、三単現のときに分かりやすくて、
現在形(三単現) | 原形 | |
be動詞 | is | be |
一般動詞(例) | has | have |
となります。
仮定法現在で出てくる動詞は、この例だとbeやhaveの方になりますので、その点も注意して以下の解説をご覧ください!
提案・命令・要求・主張を表す動詞一覧
仮定法現在の1つ目の重要な例は「提案・命令・要求・主張などを表す動詞」の後につづくthat節中です。
たとえば、
We demanded that the lawyer show us the file.
我々は弁護士にそのファイルを見せるよう求めた。
など。
この例は要求を表す「demand(求める、要求する)」の後にthat節が続き、その節中の動詞「show」が原形になっています。
過去形の「demanded」に対応して「showed」にもなっていないですし、「the lawyer(単数主語)」に対応して「shows」にもなっていません。
基本的には「SV that S’ V’」のVの所に以下の動詞一覧に示すような特定の動詞が入り、V’の所に原形が入る形となります。
仮定法現在のVの所に入る動詞一覧
advise, agree, arrange, ask, command, decide, demand, desire, determine, insist, move, order, prefer, propose, recommend, request, require, suggest, urgeなど
広い意味での命令の意味を含む動詞になっているのが特徴で、実際にその命令が実行されるかどうかが決まっていない(もしくは話し手の頭の中でだけ実行される)のが仮定法と名前がつく理由です。
必要性・重要性を表す形容詞一覧
次は形容詞のパターン。
よく見るのは、次のような「it be動詞 形容詞 that S’ V’」の例です。
It’s necessary that he go there.
彼はそこに行く必要がある。
「go」の所は主語の「he」に対応して「goes(現在形)」になるのではなく、原形の「go」になっています。
「it be動詞 形容詞 that S’ V’」の形容詞の所に、以下に示すような必要性や重要性の意味を持つ形容詞が入り、V’の所に動詞の原形が入ります。
仮定法現在の形容詞の所に入る形容詞一覧
advisable,compulsory, critical, crucial, desirable, essential, fitting, imperative, important, indispensable, mandatory, necessary, paramount, unnecessary, urgent, vitalなど
shouldとnotの位置
「should」と「not」についても仮定法現在に関連して少し補足をしておきます。
shouldの位置、使い方
イギリス英語では仮定法現在の形は形式ばったスタイルとみなされて、普通は原形の前に「should」を入れた形を使います。
It is imperative that you should go now.
君がいま行くことが絶対に必要だ。
notの位置、使い方
仮定法現在を表すthat節に否定の意味を入れるときの「not」の位置や使い方についても補足が必要でしょう。
次のように使います。
It is important that he not be forgotten.
彼のことを忘れないことが肝心だ。
大事なのは、
- 「not」の前に「do」などが入らないこと
- 「not」の後ろは原形のままであること
の2点です。
これは、notの前にshouldが隠れているという風に考えることで納得できます。
It is important that he should not be forgotten.
彼のことを忘れないことが肝心だ。
このshouldを使った形も正しい英文の形です。
その他の仮定法現在の例
あまり他の例は見かけることはないのですが、一応2つほど見かけてもおかしくないものを挙げておきます。
- 祈願を表す独立節中の仮定法現在
- lest節中の仮定法現在
正直、これらを覚えていなくてもテストなどで困ることはほとんどありません。
祈願を表す独立節中の仮定法現在
祈願を表す定型表現的なものの中に仮定法現在の表現があります。
God fogive me.
神様がおゆるしくださいますように。
これも話し手の頭の中で許してくれる様をイメージして発話していると考えるとよいでしょう。
lest節中の仮定法現在
今ではlest自体あまり見かけないので、覚えなくてもいいのですが、例を挙げると次のようなものがあります。
She worried lest he should tell someone what had happened.
彼女は彼が事件のことを誰かに言いはしないかと気を揉んでいた。
これも彼女の頭の中で「彼が誰かに事件のことを言っている様」を思い浮かべて話しているという感じですね。
まとめ
今回は仮定法現在について解説しました!
仮定法現在は仮定法が「仮定」を表すのではなく、話し手の頭の中のイメージを語る際に使われるもの、という感覚を持っておくと理解しやすいでしょう。
また出てくるのは現在形ではなく、あくまでも原形です。
動詞一覧と形容詞一覧で挙げたものを全て覚えておくのが最重要なので、ぜひ覚えておいてくださいね!
それではまた、所長でした!