ども、ぽこラボ所長です!
今回は自動詞と他動詞について。
動詞を覚える時には、自動詞なのか他動詞なのかを覚えるべき
だと聞いたことはありませんか?あるいは
語法も大事だから覚えておいた方が良い
ということも聞いたことがあるかもしれません。
実際に覚えた方がいいのは間違いないですが、まずは自動詞がどういうものか、他動詞がどういうものか理解をした上で覚えておきたいですよね?
こちらの記事を読めば、自動詞と他動詞の違いが分かるだけでなく、日本人が間違えやすい動詞についても理解が進みます。
自動詞と他動詞の理解は、語法の理解につながりますし、語法の理解が進めば、読解の正確さや速度が伸びるので、ぜひ最後までご覧ください!
この記事の内容は以下の通り。
- 自動詞と他動詞の違い
- 自動詞にも他動詞にもなる動詞
- 自動詞と間違えやすい他動詞
- 他動詞と間違えやすい自動詞
- 自動詞と他動詞で意味が異なる動詞
目次
自動詞と他動詞の違い
まずは自動詞と他動詞の違いから説明していきます。
1番よくある説明は
「目的語Oが動詞Vのあとに来るか来ないか」で、判断しましょう!
というもの。
動詞Vの後ろに目的語Oが来ないのが自動詞、動詞Vの後ろに目的語Oが来るのが他動詞です。
動詞Vの後ろに目的語Oが来ない→自動詞
動詞Vの後ろに目的語Oが来る→他動詞
あるいは
自分だけで動作が完結する動詞→自動詞
他の何かや誰かに働きかける動詞→他動詞
という覚え方も漢字の意味と合っていて覚えやすいかもしれません。
自動詞の説明
自動詞の例を2つ挙げておきましょう!
#1:All the people laughed.
みんなが笑った。
#2:He looks young.
彼は若く見える。
どちらもVのあとにOは来ていません。
1文目はlaughedの後は何も来ていないので、SVの第一文型。2文目のlooksの後には補語Cとなるyoungが来ているので、SVCの第二文型となっています。
このように自動詞の後ろにはOが来ないので、文型で言うと「第一文型」か「第二文型」の文しか作れません。
合わせて覚えておくといいですね。
少し発展的な内容にはなりますが、補語Cがなくとも文が成立する第一文型の自動詞を完全自動詞、補語Cがないと文が成立しない第二文型の自動詞を不完全自動詞と言います。
他動詞の説明
つづいて他動詞も例文を3つ見ておきましょう。
#3:She often buys her clothes at that store.
彼女はよくあの店で服を買う。
#4:She showed me the picture.
彼女は私に写真を見せてくれた。
#5:Keep your room clean.
部屋をきれいにしておきなさい。
3文目は動詞V(buy)のあとに目的語Oが1つだけ来る第三文型になっています。
4文目はshowedの後に間接目的語meと直接目的語the pictureが連続してきているので第四文型です。
そして最後がkeepの後に目的語のyour room、それの補語cleanが来ているので、第五文型になっています。
このように、他動詞は後ろに必ず目的語Oが来るので、その時点で第三文型、第四文型、第五文型のどれかに必ずなります。
ここでも少し発展的になりますが、目的語Oの後ろに補語Cが必要ない第三文型の他動詞と、第四文型の他動詞を完全他動詞、目的語Oの後ろに補語Cが必要になる他動詞を不完全他動詞と言います。
一旦ここまでをまとめておきましょう。
第一文型SV 完全自動詞
第二文型SVC 不完全自動詞
第三文型SVO 完全他動詞
第四文型SVOO 完全他動詞
第五文型SVOC 不完全他動詞
自動詞にも他動詞にもなる動詞
全ての動詞がきっぱり自動詞と他動詞に分かれるわけではないのが、英語に慣れていない人にとっては難しいところ。
自動詞にも他動詞にもなりうる動詞の例をいくつか見ておきましょう。
自動詞の意味が他動詞の意味にも使われる
最初は自動詞の意味が一般的なんだけど、それがそのまま他動詞の意味としても使われるパターンです。例えば、次の例を見てみましょう。
#6:Oranges grow in warm countries.
オレンジは温暖な国で育つ。
#7:Florists grow flowers in greenhouses.
花の栽培者は温室で花を育てる。
6番目の例文はOrangesが主語S、growが動詞Vとなっていて、その後ろは修飾句Mになっている第一文型SVの文章になっています。
なので、growは「育つ」の意味の自動詞として使われていますが、
一方で7番目の例文だと、Florists(栽培する人)が主語S、growが動詞V、flowersが目的語O、残りが修飾句Mの第三文型になっています。
なので、このgrowは「~を育てる」という意味の他動詞として使われています。
この種の自動詞の意味が、転じて他動詞の意味になっているものは多くて、他には
fly「飛ぶ(自動詞)」「~飛ばす(他動詞)」
stop「止まる(自動詞)」「~を止める(他動詞)」
return「戻る(自動詞)」「~を戻す(他動詞)」
start「始まる(自動詞)」「~を始める(他動詞)」
などがあります。
次から辞書で動詞を調べるときには、自動詞にも他動詞にもなりうる動詞があることを意識して調べてみるといいでしょう。
特定の目的語が省略されて他動詞が自動詞になる
次は、本来は他動詞としての意味が一般的な動詞の目的語が省略されて自動詞の意味にも使われている例を見ていきましょう。
#8:He sometimes smokes.
彼は時々たばこを吸うことがある。
8番目の例文では、smokeが「たばこを吸う」という意味の自動詞として、使われています。
「~を吸う」の意味のsmokeは本来、他動詞で、tobacco, cigars, a pipe, cigarettesなどの目的語を取るものですが、目的語が省略されても意味が通じるので、「喫煙する」の自動詞としても使われます。
同類の動詞としては、
drink (liquor)「酒を飲む」
eat (food)「食事をする」
read (books)「本を読む」
wave (one’s hand)「手を振る」
などがあります。特に「飲む」は日本語でも「お酒を」という目的格に当たる部分が省略されても、酒を飲む意味で使われるので、これは英語も日本語も同じですね。
能動受動態となる動詞
本来他動詞として使われる動詞の中には、受け身の意味になって自動詞として使われるものもあります。
こういう動詞の使い方を「能動受動態」と言います。
能動受動態として動詞が使われている例を見てみましょう。
#9:This sentence reads smoothly.
この文はすらすら読める。
readは本来、目的語Oを伴って「Oを読む」という意味の他動詞として使われますが、読まれるものが前に来て、「Sが読まれる」という受け身の意味の自動詞としても使うことができます。
次の例文も見ておきましょう。
#10:Cold products like juice and ice cream sell well in hot weather.
ジュースやアイスクリームのような冷たい製品は暑い気候によく売れる。
#11:This kind of meat cooks in just a few minutes over hot coals.
この種類の肉は、炭火の上でほんの数分で料理できます。
sellは「Sが売られる」、cookは「Sが料理される」という意味の自動詞として使われています。
能動受動態をとる動詞は次のようなものがあります。
bake「焼ける」
cook「料理される」
cut「切れる」
eat「食べられる」
feel「手触りが~だ」
keep「もつ」
lock「かぎがかかる」
read「~と書いてある」
rent「借りられる」
ride「乗れる」
sell「売れる」
show「上演される」
tear「破れる」
wash「洗濯がきく」
wear「もつ」
ここまでを簡単にまとめておきます。
自動詞にも他動詞にもなる動詞
- 自動詞→他動詞
自動詞の意味が他動詞としても使われるパターン - 他動詞→自動詞
他動詞の目的語を省略して自動詞として使われるパターン
他動詞が受け身の意味の自動詞として使われるパターン
自動詞と間違えやすい他動詞
次に、日本語の意味に引っ張られて、他動詞なのに自動詞だと勘違いしてしまう例をいくつか見ておきましょう。
試験でもよく問われる所なので、しっかり頭に入れておいて下さい。
こちらも例文から確認します。
#12:We discussed the new plan.
我々は新しい計画について論じ合った。
#13:She married him in Hawaii.
彼女はハワイで彼と結婚した。
12番目の例文では、日本語の「~について」という部分に引っ張られてaboutという前置詞を入れたくなりますが、discussは「~について議論する」という意味の他動詞なので、aboutは必要ありません。
同様に13番目の例文では、「~と」の部分に引っ張られてwithをhimの前に入れたくなりますが、marryは「~と結婚する」という意味の他動詞なので、withは必要ありません。
その他、日本語に引っ張られて他動詞として使うのが正しいのに、自動詞として使ってしまいがちな動詞をまとめておきました。
確認しておきましょう。
accompany「~と一緒に行く」
answer「~に答える」
approach「~に近づく」
ask「~に尋ねる」
attend「~に出席する」
contact「~と連絡を取る」
discuss「~について議論する」
enter「~に入る」
follow「~について行く」
inform「~に知らせる」
leave「~から去る」
marry「~と結婚する」
mention「~について話す」
obey「~に従う」
oppose「~に反対する」
reach「~に到着する」
resemble「~に似ている」
touch「~に触る」
他動詞と間違えやすい自動詞
逆に他動詞と間違えやすい自動詞もあるので注意が必要です。
例えば、
#14:I apologized for my mistake.
私は自分の過ちをわびた。
などが注意が必要な動詞です。
apologizeは「~を」に引っ張られて、他動詞として使いたくなってしまいますが、forを入れてから前置詞の目的語を入れる必要があります。
動詞のすぐ後ろに目的語をおくことはできません。
その他、他動詞と間違えやすい自動詞をまとめておきます。
agree (with)「~に賛成する」
graduate (from)「~を卒業する」
object (to)「~に反対する」
また同じ日本語を表現するのに、別の他動詞と自動詞を使って、2通りで言うことができるのも混乱を招く元ではあるのですが、こういったものは個別に覚えていくしかありません。
例えば、
#15:We finally reached the campground.
#16:We finally arrived at the campground.
やっとキャンプ場に着いた。
#17:I answered his question.
#18:I replied to his question.
私は彼の質問に答えた。
などは、自動詞を使った言い方と他動詞を使った言い方があるので、どの動詞を使うかによって、前置詞の必要性を考える必要があります。
自動詞と他動詞で意味が異なる動詞
よく試験などでも問題になるのは、多義語です。
自動詞として使うか、他動詞として使うかで大きく意味が異なる多義語があるので、そちらを少しまとめておきましょう。
#19:The plane leaves for New York at 12:30.
飛行機は12時30分にニューヨークに向けて出発する。
#20:I left my umbrella in the hotel.
私はホテルに傘を置き忘れた。
19番目の例文は、第一文型をとる自動詞として使われているleaveで、「出発する」という意味ですが、
20番目の例文は、第三文型の他動詞として使われていて、「~を置き忘れる」という意味で使われています。
このように自動詞と他動詞で全然違う意味を表すものは他にも以下のようなものがあります。
stand「立つ(自動詞)」「~を我慢する(他動詞)」
run「走る(自動詞)」「~を経営する(他動詞)」
まとめ
今回は自動詞と他動詞について、詳しく解説しました。
改めて、ここで扱った例文を参考に自動詞と他動詞について復習しなおしてみてください。
それではまた、所長でした!