文法

過去完了形の使い方2つを解説!「現在完了の過去版」と「大過去」

ども、ぽこラボ所長です!

今回は「過去完了形」について解説します。

中学校では習わないので、高校に入って習っても少し難しく感じることが多いのではないでしょうか。

言葉だけを見ると、現在完了を過去時制にしただけのようにも見えますが、実は「大過去」という別の用法もあります。

完了形の意味の復習も踏まえて、両方解説していきますので、ぜひ参考にしてください!

目次

過去完了形の意味は2つ!「現在完了形の過去時制版」と「大過去」

現在完了形の意味は2つあります。

それが現在完了形の過去時制版と、大過去です。

次の例文3つを見てください。

(1)His wife left him.
彼の奥さんは彼を見捨てた。

(2)His wife has left him.
彼の奥さんは彼を見捨てている。

(3)He said that his wife had left him.
彼の奥さんは彼を見捨てたと彼は言った。
彼の奥さんは彼を見捨てていると彼は言った。

明らかに(1)は過去形、(2)は現在完了形です。

一方で、(3)の「had left」の部分は2通りの解釈ができます。

  • (1)の過去形をさらに過去にした大過去(「said」よりも「had left」が過去のこと)
  • (2)の現在完了を過去時制にした(「said」に時制を合わせた)

過去完了はこのように2通りの意味があって、それらを区別するのには「文脈」と「副詞語句」をヒントにしていきます。

それぞれの用法を詳しく見ていきましょう。

過去完了形の用法1:現在完了の過去時制版

まずは現在完了の時制を過去にずらしただけのバージョンからです。

現在完了には完了、継続、経験(存在)の3つの意味があるので、それぞれについて過去完了形だとどういった文章になるか見ていきますね!

現在完了形の用法が怪しい人はこちらを参考にしてください!

>>現在完了形の用法全解説!完了、継続、経験(存在)や副詞語句も網羅!

過去完了形の完了の意味

完了の意味になるのは次のような例です。

The party had already started when we arrived.
私たちが到着した時、パーティーはすでに始まっていた。

「arrived=到着した」ときまでの、どこかのタイミングで「already=すでに」パーティーが「had started=始まっていた」という完了の意味になっていますね。

「過去のある時点(この例だと「到着」)までのどこかのタイミングで何かが完了している」ことを表現するときにこの用法を使います。

ちなみに「already」と過去完了の形が出てきたら、まずは「完了」の意味で考えます。

副詞が重要な役割を果たしていると言えますね。

このほか、完了の意味と相性の良い副詞は

just:ちょうど(~したところ)
already:すでに(~し終えた)
yet:まだ(~していない)

などがあります。

過去完了形の継続の意味

継続は次のような例です。

She had lived in Paris for three years before she came to Japan.
彼女は日本に来る前に、パリに3年間住んでいた。

「came to Japan=日本に来た」という過去のあるタイミングまでの3年間「had lived in Paris=パリに住んでいた」という継続の意味を表しています。

状態動詞は完了形の中でも継続の意味で用いる例が多いので覚えておくといいでしょう。

また「for three years」などのように「for」を使って時間の幅を表現するのは継続の意味で頻出の表現です。

for ~:(~間)
since ~:(~から)

などが継続の表現と相性の良い副詞句・節です。

過去完了形の経験(存在)の意味

続いては、経験(存在)の意味です。

I had never seen an opera until I visited Italy.
私はイタリアを訪れるまで、オペラを見たことがなかった。

「visited Italy=イタリアを訪れた」というあるタイミングまで「had never seen=見たことがない」(経験したことがない)という経験の意味を表しています。

「never」と完了形がセットで出てきたらまずは経験の意味を想定します。

このほか、経験の意味と相性の良い副詞語句には次のようなものがあります。

once:1度(1回)
twice:2度(2回)
three times:3度(3回)
before:以前
ever:これまでに
never:これまでに~ない

過去完了形の用法2:大過去

過去完了の2つ目の大きな枠組みは「大過去」と言われるものです。

過去のあるタイミングよりもさらに過去に起こったことを表現するときに使います。

大過去の例

例文を見てみましょう。

I heard that Fred had returned to Canada.
フレッドはカナダに帰ったと聞きました。

「heard=聞いた」という過去のタイミングよりも前に「had returned=帰った」ということが起こっています。

過去形よりも前のできごとを表すために過去完了形が使われているのが分かりますね。

過去形を使う場合もある

同様の事後関係(過去とそれより前の過去)の2つのできごとを表現するときに、過去完了形ではなく、過去形で代用することもあります。

例えば、こちらの例を見てみましょう。

As soon as he discovered them, he ran away.
As soon as he had discovered them, he ran away.
彼は彼らを見つけたとたん、逃げ出した。

この例文はどちらも同じ意味になりますが、どちらも正しい表現です。

明らかに時間のずれがあることが分かって、それを強調しなくてもよい場合は過去時制を使うことも多いというのを覚えておくといいでしょう。

もの凄く詳しいことは以下の書籍の過去時制のところと、過去完了のところに書いてあるので参照してください。

まとめ

今回は過去完了形についてまとめました。

過去完了形の用法には大きく分けて2つあります。

1つが現在完了形の過去バージョン。

こちらは現在完了と同じく、完了、継続、経験(存在)の意味があります。

もう1つが大過去ですね。

大過去の方は過去形で代用することもあるのを合わせて覚えておくといいでしょう。

それではまた、所長でした!